営業部長の退職
キーマンの退職
営業部長の1人が退職しました。
この部長さんは社内の誰もが認めるキーマンで、これから先の会社全体の営業力に大きな影響を及ぼすものだと思います。
ここでは、以降この営業部長さんをKさん(もちろん仮名)と表記します。
そもそもこのKさんには去年の段階で割と理不尽な業務の割り当てがあり、その行方が心配されていました。常に営業目標を達成して新規顧客を開拓し、会社の売り上げに貢献してきた腕前を買われてか本業とは違う部署の部長も兼任させられていたのです。
どうやらそちらのほうは会社から与えられた目標を達成することは出来なかったようで、その不満もあってか転職ということになったそうです。
転職リスク
会社にいるといつも思うのですが、会社というのは社員が辞めそうかどうかについてかなりその動向を注意しているものだと思います。
特に新入社員などは稼いで貰う前に辞められては困るわけで、割と手厚く扱われます。
逆に、何十年もいてお給料ばかりあがるのに売り上げやスキルがそれについていかない人は会社での立場が悪くなったりリストラされたりします。
今回退職したKさんは会社の創業時からの生え抜きメンバーであり、その業績も輝かしいものだったと思います。出世コースという意味でもトップ。そんな彼に対して社長は“絶対に辞めない”という自信があったのでしょうか。
無理な業務をやらされて達成できない目標を与えられては、それまでどれだけ会社への忠誠心があっても、人は会社を見限る。
当たり前ですが、これが今回学んだことです。
キーマンが辞めて会社はまた一つよくない状況になりました。
もう2〜3人キーマンが抜けたら会社は本当にガタガタになるでしょう。
よくコンサルタントが使うパレートの法則(売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出している、など)がありますが、Kさんは2割のほうの人間でした。もっと言えば、Kさんの下について成長していた人の数人が2割のほうにいるという“キーマン養成者”でもあったのです。
一度退職した人が戻ってくるということは滅多にないと思います。本当に必要な人材を辞めさせるような人事、プライドを折るような無理な目標。結局マイナスばかりでなんのプラスもありませんでした。
社長は本当にKさんが慣れない部署を率いてその業績目標を達成できると思っていたのか。直接社長に聞くこともできず、Kさんも辞めてしまった今、その経緯を確認することはできません。
Kさんの次の職場での活躍を祈るばかりです。